ついに、au版Xperia 1 IIIにOSアップデートがやってきました。Android 11からAndroid 12への大型の更新です。
今までのSonyっぽさ・Xperiaっぽさからガラッと変わり、とてもシンプルに。
どちらかというと、よりチューニングがされていない素のOS……という感じになり、人によっては「味気ない」と感じるかもしれません。
その他、多彩な場面でアニメーションの動きが追加され、よりプライバシーに気を使うためのオプションも追加されました。
個人的には、バージョンアップでシンプルすぎるデザインになったなぁ……という感想です。
デザインは具体的にどんなところが変わった?
最も完結にわかりやすい形でまとめているのが、auとdocomoの公式サイトだったので、ざっくり見たいのであればこちらを御覧ください。
au端末ですが、docomoのページにかかれていることについても当てはまるアップデートでした。
2社とも、ほぼ違うことが書いてありますが、両方にかかれている機能が導入されていると考えられます。Android 12への同一の更新なので、更新内容はほぼ同じなのかなと。
このページでは、主に上では“詳細に書かれていなかったもの”を中心に、補足するような形で具体的に書いています。
UIのざっくりした変更点
まず始めに、UI周りを見てみます。
元のUIがこちら。
アップデート後のUIがこちら。
雰囲気がガラッと変わりました。
通知バーを開いたときの透明感は完全になくなり、全体的に丸みを帯びたデザインに。
「水色」と「黒」基調で統一感のある色になっています。どこがボタンなのかがより視覚的になりました。また、ボタンの余白が増え、押しやすくなっている印象です。
Xperiaっぽいボックス感が完全に取れて、かなり驚きました。通知を開いたときにまず日付が先に表示されるようになりました。
この変更点でかなり気に入っているのが、通知パネル(クイック設定パネル)です。以前が6つまでしか表示できませんでしたが、今回は8つまで登録可能。
そして、ON/OFF切り替える際にタップできる場所が視覚的に広くなったため、押しやすさが向上しています。
Wi-Fiと4G/5Gなどの回線が統合され“インターネット”というボタンに集約しました。無線通信がまとまったことで直感的かつわかりやすくなっていますが、人によっては好みが分かれそうなポイントです。ボタンを押すと、下側にわかりやすい操作パネルが出てきます。
メディア音量の設定も、色数が少なくなりスッキリした印象。現在再生中の音楽に関しては、どのアプリかどうかを表示しなくなったかわりに、サムネイル画像が大きく表示されます。
パスワードを打つ画面も、ガラッと雰囲気が変わりました。
「どうしてしまったのだろう……Xperiaっぽくない……」と初めは感じたものの、少ししたら(結局便利にはなっていたので)慣れてきました。
だがしかし、好きだったあの頃のデザインはもう戻らない――。
“さらに輝度を下げる”で、深夜帯の画面のまぶしさを軽減できるように
通知パネルに“さらに輝度を下げる”ボタンが追加できるようになっていました。
これは、辺りが暗いときなど画面のまぶしさを感じる場面で、画面の明るさをさらに暗くすることができる機能です。
これをONにすることで、ココで設定した数値分暗くしてくれます。
輝度の下にあるバーでどの程度マイナスするかや、再起動後の維持、ショートカットのオプションも設定できました。
明るさを最低限にしてもまぶしい、暗い場所で操作している場合に、輝度をもっと下げることができそうです。
暗くしすぎて翌朝見えない……なんてことが無いようほどほどに。
本体の設定アプリはより“真っ黒”に
次にガラッと雰囲気が変わった場所を紹介します。本体の設定画面です。
左がAndroid 11時点のもの。右がAndroid 12のものです。
有機ELであることを意識してか、背景色がより黒っぽくなりました。完全な黒ではありません。
また、カラフルだった丸アイコンの背景色が完全に取っ払われてしまい、シンプルすぎる感じになりました。
これに関して筆者は、色で設定項目をなんとなく覚えて判断していたため、操作性が悪くなり若干ショックです。そのうち慣れるとは思いますが。
また、細かな設定項目の場所やアイコン、動画、バッテリー残量バーなどが変更されていました。が、いたわり充電のようなイラストなどに関しては、変更点はほぼありませんでした。
以前、Xperia XZ PremiumをAndroid 9に変更した際、ごっそりイラストが消えてしまってわかりにくくなってしまった事件がありました。しかし、今回のXperia 1 IIIではそういったことが起こらなかったので、個人的にはこの部分で安心しています。
インターネット設定を開くと、やはりWi-Fiと4G/5G通信が統合されて表示されています。
ここでキャリアを選択すると、既存のWi-Fiを切断しつつキャリアで通信するようになります。
現在使用中の権限を知らせてくれる機能など、セキュリティ面の見える安心が追加
勘のいい人は、スクリーンショットを見て気づいたかもしれません。通知バーの右になぜか空白がありますよね。めっちゃ気になる。
ココの空白、権限使用中にドットが表示されるみたいです。カメラやマイクを使用中に、緑色のドットで知らせてくれます。
アプリが勝手にカメラやマイクを使用していないか、ひと目で分かるようになりました。これは、アプリの全画面表示(=通知バーが非表示)でも表示され続けます。
他にも、位置情報への権限アクセスを求める際に、“おおよそ”か“正確”かを選べるようになりました。
あまり詳細な位置情報を必要としないであろう天気予報アプリなどに、“おおよそ”を選択するとよいかもしれません。
“片手モード”はよりシンプルに
次に、au版でちょっと書かれていた“片手モード”についてです。
以前のAndroid 11の“片手モード”では、画面そのものが小さくなりました。右下or左下に寄せたり、大きさを変えたり、上下に移動することも可能でした。
今回のAndroid 12では、この挙動から全く違うものになっています。複雑だったUIが一見してシンプルになり、画面そのものは下にスライドするだけの仕様です。上部をタップすることでモードを終了し、スライドする範囲は変更できませんでした。
これに関しては、賛否両論あるかもしれません。
より上部を片手で操作しやすくなっています。個人的には、片手モードでも上の方が操作しにくい状態でした。
Xperia 1 IIIの横幅はスッキリしていて、指が端から端まで届くくらいでした。そうすると、片手モードは上部が操作しやすくなればよいという考えになり、この変更は妥当なのかもしれません。
また、ナビゲーションバーを下にスワイプすると、このモード(もしくは通知)を起動する設定項目が、“片手モード”に追加されていました。
他にも、“ユーザー補助機能ボタン”や“音量キーを長押し”でモード起動のオプションもあり、より自分好みのカスタマイズができるようになっています。
カメラ周りのアプリもちょっとだけ機能追加されている
カメラアプリの「Photo Pro」では、セットアップ内の設定項目が5つほど追加されています。
“AELボタン設定”は、AELボタンの場所に他の機能を割り当てるための設定となっていました。例えば、ここを“ISO AUTO”にすれば、“AEL”だった場所で“ISO AUTO”の設定ボタンに変更されます。
“ファンクションメニュー設定”は、おなじみの機能ボタンの割り当てを一括で変更できます。
“DISPボタン設定”では、DISPを押したときにどの情報を表示するのかのパターンを変更できます。
“Bluetoothリモコン”を有効にすると、ソニー製リモコンをペアリングしてPhoto Proを操作できるようです。ソニー製のリモコンを持っていないのでスルー。
“ヒント”を押すと、公式ホームページの使いこなしガイドに飛びます。
また、動画を撮影できるCinema Proの方は、ボリュームキーの動作設定に若干の変更がありました。
“Assign volume keys”設定に“Focus”が追加されています。
試しに“Focus”に設定すると、しっかりボリュームキーでフォーカスすることができるようになっていました。やったぜ……。
サイドセンスは目立った変更なし
片手モード……と来ると、サイドセンスあたりがどうなったか見てみます。
ここは、Android 12になったからといって、特に何も変更点がないようです。唯一以前のXperiaっぽいところが残った場所でもあります。
無駄なアプリを追加しようと通知してきた+すでにいくつかは入っていた
やはりOSのアップデートなので初回限定で宣伝してきました。怪しいAppCloud。
こういったものに、ある程度の広告費が入っているのかもしれませんが、OSを無料で更新できるので仕方がない……と割り切っておきます。
だがしかし、以前は完全にアンインストールできていたゲーム系アプリ(アスファルト9/Call of Duty)やLinkedInが、アンインストールできずあくまでも“無効化”になっていたのは残念なところ。
「キャリアのこういうところ、バレないと思ったら大間違いですよ!!」といいたいけど、無効化でも事実上のアンインストールにはなっているので、今回は大目に見ることにします。
ついでにAppCloudが何しでかすかわからないので、こちらも無効化しました。
OSの更新はどのぐらいかかったのか
Android 12への更新が降りてきてから、更新するまでには、全体20分程度ですみました。かなり早いです。
具体的には、以下の通り。RakutenのSIMを挿入中かつWi-Fiに接続中の環境で、OSのアップデート通知が降ってきました。
通信回線はあえてRakutenで検証してみましたが、問題なく更新できました。なので、わざわざau回線でないといけないわけではないようです。
- 更新サイズ1.03GBのアップデートファイルを10分で読み込む
- デバイスの最適化準備を6分ほどする(バーが読み込み中のアニメーション)
- デバイスの最適化を30秒で終える(バーが実行中のアニメーション)
- 利用可能の文字→今すぐ再起動で更新すると、2分30秒後に本体の再起動が終わる
正確には19分で終えました。30分~1時間ほどかかるものだと思っていたため、思わぬ速さに拍子抜けしました。
Android 12へ更新するべきかどうか
「自分の好みではない……」「OSアップデートの不具合が心配……」などの理由で更新をためらうことがあるかもしれません。
が、どうあれ更新は早めに行ったほうがよさそうです。なぜなら、このOSアップデートにセキュリティパッチの更新が含まれているからです。
スマホには毎日のように脆弱性(=OSの脆いところ)が発見されていて、それに対処するために何度も最新のパッチを割り当てています。その更新によってパッチが最新になることで、端末をより安全に使うことができます。
しかし、このアップデートは面倒なことにキャリアから主に配信されることになっています。大抵OSのアップデートに含まれていたり、単体で配信されたりします。なので、順次キャリアからの更新が来た時点で更新するとよいです。
(私の場合、大型アップデートだと不具合が怖いため、数日ほど様子を見ます。今回のOSのアップデートは数週間遅れて通知が来たため、問題ないと判断し、通知からすぐに更新することにしました)
更新すると、セキュリティパッチのレベルは「2022年1月1日」になります。