最近GMO系列のサービスで導入された「サービス調整維持費」。
ConoHa Wingでも、サーバー料金の事実上の値上げがされました。
昨今の急激な国内電気料金高騰、為替変動、世界的な半導体不足などの背景をふまえ、コスト削減に取り組み、ご提供価格の維持に努めてまいりましたが、自助努力だけではコスト増を吸収できない状況となりました。
「サービス維持調整費」についてのご案内|レンタルサーバーならConoHa
10%の値上げ。6ヶ月プランを契約していたので、6,600円が7,260円です。
Xserverと概ね同じ価格で、ConoHa WINGにしていたアドバンテージが薄れてしまいました(学割は効くけれども……相殺される)。
その一方で、サーバーの新規契約キャンペーンや更新料金15%OFFといったキャンペーンもやっていて、「サービス調整維持費とは?」となんだかモヤモヤしてしまいました。うーん。
そんな中、Xserver系列から新サービス「シン・レンタルサーバー」なるものが出たようです。
これが速い・安いと謳っているのをみかけ、ちょっと試してみよう……と思った次第。
10日間の無料期間中に速度計測をして、実際の速さを確かめてみました。
シン・レンタルサーバーとはなんぞや?
シン・レンタルサーバーは、「Xserver」をベースに、新技術・新機能の早期導入やコスパ、サーバー速度を重視したレンタルサーバーのようです。
一方、Xserverのほうは安定性を重視しているため、これによって両者間の差別化が図れているそう。
XserverやConoHa WINGともスペックを比較してみる
3者間の最安価格で比較した、スペックの違いはこちら。
Xserver (スタンダード) | シン・レンタルサーバー(ベーシック) | ConoHa WING (ベーシック) | |
---|---|---|---|
初期費用 | 無料 | ||
料金(3ヶ月) | 1,320円 | 990円 | 1,210円(1,331円) |
料金(6ヶ月) | 1,210円 | 990円 | 1,100円(1,210円) |
料金(12ヶ月) | 1,100円 | 880円 | 990円(1,089円) |
プラン変更 | 可能 | ||
学割 | なし | あり(10%OFF) | |
vCPU | 6コア(最低保証) | 6コア | 6コア |
メモリ | 8GB(最低保証) | 8GB | 8GB |
SSD | 300GB(NVMe) | 300GB(NVMe) | 300GB |
マルチドメイン | 無制限 | ||
転送量 | 無制限 | 900GB/日 | 無制限 |
MySQLデータベース | 無制限 | ||
HTTP | HTTP/2 | ||
PHP | Ver. 8 / 7 / 5 | Ver. 8 / 7 | Ver. 8 / 7 / 5 |
ドメイン永久無料 | 2つ | 1つ | 2つ |
自動バックアップ | 過去14日分 | ||
WAF | あり |
※()内は、ConoHa WINGのサービス調整維持費を含む現在のもの(10%)
3者間のプランに目立った差はありませんでした。強いて言うなら、シン・レンタルサーバーは最大転送量に限りがあったり、ドメインの永久無料特典が1つだったりします。
ただ、1日で900GBも通信するようなブログはめったにありませんし、XserverやConoHa WINGのドメイン無料も「2つ目は格安ドメインのみ」のような制約があるので、実質ほぼ違いないと言って良いでしょう。
ConoHa WINGとシン・レンタルサーバーの速度を比較してみる
筆者の環境がこちら。こちらの条件は揃えています。
- WordPress 6.2.2
- SWELL 2.7.7.2
- 【SWELL】乗り換えサポート from Cocoon(まだ移行が終わってない)
- PHP 8.2
- 比較ページ|トップページ(一番コンテンツがおいてあるため)
また、サーバー本体と機能の性能を見るために、ConoHa WINGの高速化設定となるべく同じになるように揃えます。
ソースコードやファイルを大幅に書き換えるといった機能は避けます。
ただし、KUSANAGIに関してはWordPress実行環境で標準搭載のため(オンオフスイッチはない)、ここだけ注意です。
ConoHa WINGの高速化設定
- WEXAL → OFF
- コンテンツキャッシュ → ON(すべて)
シン・レンタルサーバーの高速化設定
- KUSANAGI → 標準搭載
- XPageSpeed → OFF(WEXALと類似の機能)
- サーバーキャッシュ → ON(コンテンツキャッシュに類似)
その他は初期状態。
ここでは、PageSpeed InsightsとGTmetrixの表示速度を計測して、比較していきます。
PageSpeed Insights
ConoHa WINGの結果
Mobile | スコア | FCP | LCP | TBT | Speed Index |
---|---|---|---|---|---|
1回目 | 56 | 1.9s | 8.5s | 540ms | 5.5s |
2回目 | 67 | 1.9s | 5.7s | 300ms | 5.1s |
3回目 | 61 | 1.9s | 7.2s | 420ms | 4.7s |
平均 | 61.3 | 1.9s | 7.1s | 420ms | 5.1s |
Desktop | スコア | FCP | LCP | TBT | Speed Index |
---|---|---|---|---|---|
1回目 | 98 | 0.4s | 1.1s | 10ms | 1.1s |
2回目 | 97 | 0.4s | 1.1s | 30ms | 1.2s |
3回目 | 97 | 0.5s | 1.1s | 0ms | 1.1s |
平均 | 97.3 | 0.43s | 1.1s | 13ms | 1.13s |
シン・レンタルサーバーの結果
Mobile | スコア | FCP | LCP | TBT | Speed Index |
---|---|---|---|---|---|
1回目 | 58 | 1.9s | 7.4s | 470ms | 5.4s |
2回目 | 77 | 1.9s | 4.2s | 230ms | 4.9s |
3回目 | 66 | 1.9s | 7.4s | 270ms | 4.7s |
平均 | 67 | 1.9s | 6.3s | 323ms | 5.0s |
Desktop | スコア | FCP | LCP | TBT | Speed Index |
---|---|---|---|---|---|
1回目 | 94 | 0.5s | 1.6s | 10ms | 1.2s |
2回目 | 94 | 0.5s | 1.6s | 30ms | 1.0s |
3回目 | 95 | 0.5s | 1.5s | 0ms | 1.1s |
平均 | 94.3 | 0.5s | 1.57s | 13ms | 1.1s |
PageSpeed Insightsのスコア比較(まとめ)
スマホでの比較は、シン・レンタルサーバーが少し高いスコアになりましたが、誤差の範囲内とも言える感じです。
PCでの比較は、逆で、ConoHa WINGが少し高いスコアになりましたが、やはりこちらも誤差とも言える感じですね。
どちらを選んでもさほど変わらないようです。
GTmetrix
より正確に分析できるGTmetrixの方でも見てみましょう。項目が多すぎるため、3回計測した平均値のみを載せています。
Desktop | ConoHa WING | シン・レンタルサーバー |
---|---|---|
Performance | 79.7% | 83.0% |
Structure | 90.3% | 87.7% |
TTFB | 654ms | 457ms |
First Contentful Paint | 1.3s | 1.1s |
Largest Contentful Paint | 1.63s | 1.56s |
Total Blocking Time | 140s | 132ms |
Onload Time | 2.3s | 1.9s |
Time to Interactive | 2.3s | 1.9s |
Speed Index | 3.1s | 2.9s |
Fully Loaded Time | 6.67s | 6.46s |
シン・レンタルサーバーのほうがほんの少しだけ良いという結果になりました。よさそう。
体感できるくらい違う?
トップページをリロードしまくってみて、管理画面を遷移しまくってみました。
体感できるかと言われると、ほんのちょっとだけシン・レンタルサーバーのほうが速い感じがします。
一応、デスクトップからChromeのブラウザキャッシュを消してリロードしてみても、シン・レンタルサーバーの読み込みが50~100ミリ秒程度速いようです。
とはいっても、言われなければ気づかないレベルで、さほど差はないです。
逆に言えば、シン・レンタルサーバーのほうが若干安いのにも関わらず、ConoHa WINGに追従しているのがすごいなーと感じました。
最大半額になるお得なキャッシュバックキャンペーンも頻繁にやっているみたいなので、これを機に乗り換えてみてもよいかも。
今回比較した2つのレンタルサーバー↓